Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきこんじゃくものがたり
雪今昔物語
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 雪今昔物語 (ゆきこんじゃくものがたり) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.695 Zeichen · 32 Bildschirme
一八
一八
無事に御進講を終えて、控の間で幻燈の整理などをしていたら、侍従長がおみえになって、また意外に有難い御内意を伝えられた。それは呉竹寮の義宮や内親王方にも、この幻燈を見せてもらいたいという御思召しがあるというお伝えなのである。そして帰任の都合もあることだろうから、明日にでもというお話であった。
翌十二日の午後三時、学習院から皆様お帰りになるのを待って、呉竹寮の方へ参上した。簡素な木造平屋建の一棟が呉竹寮であった。お話は義宮様や内親王方のお遊びの間らしい、広い板張りの部屋で申し上げることになっていた。札幌などの幼稚園と殆んど変らない質素なお部屋で、ピアノと小さいオルガンと電気蓄音機とがおいてあるだけで、何ら特別の装飾などのない簡素なお部屋であった。硝子戸のすぐ外が芝生になっていて、暖かい陽の光がさしていた。
しばらくおまちを願って、幻燈の準備をしていたら、宮様たちが芝生の上でジャンケンなどしてお遊びになっている声がきこえた。竹屋女官長がみえて「義宮様は初めて幻燈を御覧になるので、さきほどから幻燈というものはどんなものかと、たびたびおききになっています。