Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきしろやまめ
雪代山女魚
佐藤 垢石
Lesen Sie 雪代山女魚 (ゆきしろやまめ) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.297 Zeichen · 19 Bildschirme
さらに不動滝を越えた上三依は岩魚の本場である。会津の枯木山の方から流れ出て、男鹿へ注ぐ湯西川は、相貌甚だ複雑である。激湍岩を咬んで、白泡宙空に散るさま、ほんとうに夏なお寒い。一つ石の集落と、湯西川温泉を過ぎ、高手の村をはずれれば川は峡の底を流れて、鬼気人に迫るの感がある。山女魚と岩魚が無数だ。熊も出る。
湯西川の源流から藤ヶ崎峠を越えて右すれば馬坂沢、左すれば土呂部渓谷である。共に鬼怒の奔流へ注ぐ。まだ都会の釣り人が足を印したことのないといわれる釣り場だ。裏日光、八千尺の太郎山の峭壁を睨んで釣る姿、寂しさそのものであると思う。
川治温泉から鬼怒川本流を遡り、青柳平と黒部を過ぎ、川俣温泉へ辿りつけば岩魚の仙境だ。さらに日光沢温泉、八丁湯のあるところは谷が深い。
奥日光、湯川と湯の湖の鱒釣りも渓流魚釣りの項に加えてよかろう。湯元の温泉に一夜を寛ぎ、翌黎明爽昧の湯の湖を右に見て、戦場ヶ原の坂の上に出て、中禅寺湖の方を展望すれば、景観は壮大である。
茫漠として広い青茅の原に突っ立った栂の老木から老木へ、白い霧が移り渡って、前白根の方へ消えいく。やがて昇る朝陽に、朱に染めた頭を集めて男体と女体が、この浩遠な眺めを覗きながら、自然の悠久を無言に語り合っている。