Japanische Klassiker mit Furigana
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せつれいぞくき
雪霊続記
泉 鏡花
Lesen Sie 雪霊続記 (せつれいぞくき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.120 Zeichen · 13 Bildschirme
」
何しろ可恐い大な手が、白い指紋の大渦を巻いているのだと思いました。
いのちとりの吹雪の中に――
最後に倒れたのは一つの雪の丘です。――そうは言っても、小高い場所に雪が積ったのではありません、粉雪の吹溜りがこんもりと積ったのを、哄と吹く風が根こそぎにその吹く方へ吹飛ばして運ぶのであります。一つ二つの数ではない。波の重るような、幾つも幾つも、颯と吹いて、むらむらと位置を乱して、八方へ高くなります。
私はもう、それまでに、幾度もその渦にくるくると巻かれて、大な水の輪に、孑孑虫が引くりかえるような形で、取っては投げられ、掴んでは倒され、捲き上げては倒されました。
私は――白昼、北海の荒波の上で起る処のこの吹雪の渦を見た事があります。――一度は、たとえば、敦賀湾でありました――絵にかいた雨竜のぐるぐると輪を巻いて、一条、ゆったりと尾を下に垂れたような形のものが、降りしきり、吹煽って空中に薄黒い列を造ります。
見ているうちに、その一つが、ぱっと消えるかと思うと、たちまち、ぽっと、続いて同じ形が顕れます。消えるのではない、幽に見える若狭の岬へ矢のごとく白くなって飛ぶのです。