Japanische Klassiker mit Furigana
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うんぜんだけ
雲仙岳
菊池 幽芳
Lesen Sie 雲仙岳 (うんぜんだけ) von 菊池 幽芳 (きくちゆうほう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.192 Zeichen · 43 Bildschirme
がひげをたれているところを見ると、この渓谷の如何に霧深いかを想像させる。これらの小灌木は土壌のない岩石の上に、霧によって育くまれているといってよい。
それらの植物の間に、最も私を喜ばせたのは、雲仙では普賢の絶頂でなければ生えていない黄花石楠花がここでは至るところの岩石の根占となって、つつじと共に生えていることである。一々の岩石をあさって行くと、それらの灌木の外に、日蔭のところには獅子頭や羊歯類が生えており、しのぶがつき、岩松がつき、春蘭もまた夥しくその間に散在している。それは全く庭園の境地であり、園芸植物の宝庫であるといえる。かくて熔岩の一ツ一ツは実に見事なる巨大の盆石で、三十町の熔岩流は実にまた驚くべき一大盆景なのである。
この大きな盆景を隔てて眉山の秀麗な峻峰と相対し、眉山の裾をひく不知火の海には九十九島が絵のように浮んでいる。雲仙には薊谷、鬼神谷のような、上から見下して美しい渓谷はあるが、渓谷それ自らの内部にこれほどの美を包容する渓谷はない。公園主事で雲仙の字引といわれる園さんもはじめてこの景色を見て驚けば、島原生抜きの宿の主人も助役さんも生れて初めて見たこの渓谷に見とれるのであった。