Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

Lesen Sie 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) von 木村 荘十 (きむらそうじゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.859 Zeichen · 76 Bildschirme

Aozora Bunko

「え?」

孫永才は、やるなら今だと思った。

親にも見せられないこの姿……この衰え切った敗残の弟を、こんな無情な世の中に生かして置くほど惨いことがあるだろうか。

“俺が死んだら、春生はどうなるのだ”

彼は、盲目の春生が、何時会えるか分らない母を慕って、踏んだり蹴ったりされながらこの嶮しい山や峡谷を越えて、雲南省まで辿りつこうとする姿を想像するだけでも堪らなかった。

と云って、この弟を連れて守備隊を脱走するなどとは、思いもよらぬことである。

彼は弟を抱きしめながら心で叫んだ。

“春生、堪忍してくれ……俺はもう奴等の邪道に我慢が出来ないのだ。俺は誰が何と云おうがやっつける……これはお前や路三の仕返しだけではない。何百万の、お前と同じような子供達や、その親達のためなんだ、俺はお前だけを殺しゃしない、兄さんも死ぬ気なんだ……奴等の中で一番酷い奴を一人二人殺っつけたら、鉱山主達も少しは目を覚ますだろう”

孫永才は、狂気染みた眼をして、丘の斜面を見守りながら、弟の頸に手をかけようとしたが、肉親の情に突き上げてくる涙をおさえるのがやっとだった。

「どうしたの? 兄さん……兄さんは震えているんだね……兄さんは?」