Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ほしみせ

露肆

泉 鏡花

Lesen Sie 露肆 (ほしみせ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.973 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

縦通から横通りへ、電車の交叉点を、その町尽れの方へ下ると、人も店も、灯の影も薄く歯の抜けたような、間々を冷い風が渡る癖に、店を一ツ一ツ一重ながら、茫と渦を巻いたような霧で包む。同じ燻ぶった洋燈も、人の目鼻立ち、眉も、青、赤、鼠色の地の敷物ながら、さながら鶏卵の裡のように、渾沌として、ふうわり街燈の薄い影に映る。が、枯れた柳の細い枝は、幹に行燈を点けられたより、かえってこの中に、処々すっきりと、星に蒼く、風に白い。

その根に、茣蓙を一枚の店に坐ったのが、件の婦で。

年紀は六七……三十にまず近い。姿も顔も窶れたから、ちと老けて見えるのであろうも知れぬ。綿らしいが、銘仙縞の羽織を、なよなよとある肩に細く着て、同じ縞物の膝を薄く、無地ほどに細い縞の、これだけはお召らしいが、透切れのした前垂を〆めて、昼夜帯の胸ばかり、浅葱の鹿子の下〆なりに、乳の下あたり膨りとしたのは、鼻紙も財布も一所に突込んだものらしい。

ざっと一昔は風情だった、肩掛というのを四つばかりに畳んで敷いた。それを、褄は深いほど玉は冷たそうな、膝の上へ掛けたら、と思うが、察するに上へは出せぬ寸断の継填らしい。