Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わたしのしごと しょうこうのしごと

青帛の仙女

上村 松園

Lesen Sie 青帛の仙女 (わたしのしごと しょうこうのしごと) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.693 Zeichen · 68 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、結局そう申しましたわけで、家は半焼、私のそれらの物はすっかり焼失し、残ったものと言えば、商売のお茶々の壺ぐらいというさまでした。取り出そうにも何も、寝巻なりで飛び出した私は、気ばかりあせるだけで、泣くにも泣けずあの燃えさかる火の海をみてただけでございます。今考えてもこんな口惜しいことはないのですが、「まあ、人様に迷惑かけたのではなし、迷惑かけられたのがせめての慰め、寝るにも寝やすいわ」と、申します母の言葉を、そうだとは思いながら、あきらめきれぬ思いで聞いたものでした。

それでも全焼でなく半焼に終りましたので、すぐさま寝るところに不自由はなかったのでしたが、雨ふれば忽ち屋根もりするといった有様、なにしろ小さい時から育ちました家とて、去るにも去り兼ねる思いで、幾月か半焼の屋根の下に母子して暮しましたが、結局どもならんしで、丁度、高倉の蛸薬師下るに家がありましたので、そちらへ宿がえすることになったわけでした。

従来、私どもの家はお茶々を商うのが家の業いでございまして、蛸薬師下るの方へ移りましても矢張お茶々の商売をいたしました。火事でただ一つ焼け残ったお茶々の壺を抱いて移転したわけです。