Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねんのてんか
青年の天下
大隈 重信
Lesen Sie 青年の天下 (せいねんのてんか) von 大隈 重信 (おおくましげのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.309 Zeichen · 11 Bildschirme
苦労を楽しいものと思ってみると、苦痛さえ増せば却って働き甲斐があって嬉しいわけではないか。我輩のやり方を心配した親類の中には、フランスへ留学させることにしたら心配が要らなくなると思ったものがあって、人を介して藩主を説きつけた。けれども先には外国人のために五港を開港し、その開国の勇者井伊〔直弼〕大老は桜田門外に殺されてしまう。加うるに長州征伐があり、幕府の威信益々衰え、ほとんど混乱の底止するところを知らざらんとするこの日本の国を捨てて、どうしてヨーロッパへ行けるものか。我輩はフランスへ行くかわりに再び京都へ行こうと思ったのである。
またもや脱藩して船に乗る。然るにこの船は大阪へ着かずして横浜へ行ってしまった。しかたなしに江戸へ這入ることに決心をし直したが、なにぶん脱藩人のことだからもし見つかったら捕まってまた送り返される心配がある。幸いにして江戸へ這入ったが、ちょうどその時であった。徳川慶喜は大政を返上して、江戸には鼎の湧くような騒ぎが起った。我輩はすわこそと思ったから藩へ帰って輿論を喚起し、わが佐賀藩をして他の諸藩に後れは取らせまいと、急遽船に乗って帰途に着いた。