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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.712 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

」

長崎屋は、ほう、と驚いて、

「そりゃア、ずいぶん思いきったことをしたもんだな……豪放もけっこう、無茶もいいが、それも時と場合による。こういう際に、ことさらに攘夷派を刺戟して紛争を求めるようなことは、慎んだほうがいいと思うが……」

仁科伊吾はうなずいて、

「……そうそう、私もいつかその点を指摘しようと思っていたんです……取引の上のことはともかく、おおっぴらに城陽亭へ入って肉叉をつかったり、独逸商館の理髪床で頭髪を刈ったりするようなことは、たんに攘夷派の感情を煽るだけで、稚気に類したことだから、ありゃア、なんとかして止させなくてはいけませんな。……あんなことばかりしていると、むこうだって黙っていられないから、なにかひどいことをやり出すかも知れない、今だって、そういう危険は充分あるんだから……」

そこへ、渡りの廊下の端で、

「まア、いいいい……ちょっと、みなに、このなりを見せてやるんだ」

案内の女中に、笑いながらそんなことを言っている声がきこえ、濶達な足音が近づいてきて、竹簀茣蓙を敷いた次の間へ入って来たのが、丸三、佐原屋清五郎。

色が浅黒く、いい恰幅で、藍がかった極薄地羅紗の単衣羽織に、透しのある和蘭呉絽の帯しめ、れいの、お揃いの蕃拉布を襟に巻いている。