Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.494 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

こいつア、驚いた」

有頂天

腰元は、あどけなく、

「はい、どのようなお好みの品でも即座に御意にそいますよう、江戸一といわれる橋善の板場があちらに控えておりまして、いかようにも御意をうかがうことになっております」

顎十郎は、下司っぽく額をたたいて、

「これはどうも福徳の三年目。望外のお饗応で、じつに恐縮。どうせ御主人がお帰りになるのは四ツ刻とうけたまわったから、それまでの座つなぎ、思召しに甘えて、ひとつゆっくり頂戴するといたしましょう、なにとぞよろしく」

「まア、……よろしくなんて、そういうなされかたでは、思召しにそうことは出来ません。どうぞ、もっと……」

「もっと、なんです」

「もっと、どんどん頭ごなしにお言いつけくださいまし。……なにを持って来い、かにを持ってこいと、鷹揚におっしゃっていただきたいのでございます。そんなふうに慇懃におおせられますと、わたくしどもは馴れませんことでございますから、おどおどして、どうしてよいのやらわからなくなってしまうのでございます」

「へへえ、そいつア逆ですな。丁寧に言うと、おどおどしてしまうというのはわからないねえ。しかし、そういうことでしたら、まア、出来るだけ横柄にやりましょう。