Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.550 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

どういうことをするかと申しますと、こちらで、いろは四十八音をのべつ幕なしに唱えかえして、これと思う音のところでうなずかせる。……あなたと六平のあいだにどういう経緯があったか、訊き出すことはわけも造作もないんです。……ところで、こいつをやるとあなたが隠しておきたいことが、いあわす役人や小者どもに明白に知れてしまう。あなたがおっしゃってさえくださるなら、これは手前とあなたのあいだだけのこと、どのようなことであろうと断じて手前はもらしません。……いかがです、加代姫さま」

加代姫は、誦経でもするように眼をとじて、顎十郎の言うことを聴いていたが、静かに眼をあけて顔をうつむけると、

「縁もゆかりもないこのわたしを、それほどまでに劬ってくれるそなたの親切。身に沁みてうれしく思います。六平が生きているというのはそなたの嘘。……そなたの掛引きに乗って言うのではない、ひとえにそなたの真情に報いるため。……わたしの恥、ひいてはお父上の恥辱。これだけは死んでも言うまいと覚悟していたのですが、つつまずにそなたへ聞かせよう」

蘆の葉が風にゆらぐように、ソヨと肩をそよがせ、

「去年の春から父上のお手もとに召しだされた三枝数馬という小小姓。