Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.406 Zeichen · 27 Bildschirme
父がもし立腹するようなことがあったら、いつぞや門でおひろいになった簪をお見せになると、きっと怒りがとけるわけがあるのですから、そういうときには、どうぞあれをお見せになってと言う。……夜が明けはなれてから金三郎はお米の手をひいて母家へ行き、庭の枝折戸の外へお米を待たせておいて、じぶん一人だけ和助の居間へ行って、これこれしかじかと詫びを言うと、和助は怪訝な顔をして、あなたにはまだ申しあげなかったが、お米はお盆の夕方、寺から帰ると急にうつうつと睡りはじめ、なにを言うさえ現ないありさま。そのあいだにもいちど息をひきとったことさえあったほどの大わずらい。寝床の中で寝がえりひとつ打てない身が、どうしてあなたのところへなぞ忍んで行くはずがありましょう。あなたはお米を枝折戸の外へ待たせてあるとおっしゃったが、現在お米は次の間でひと心地もなく眠っておりますという。金三郎はおどろいて次の間へはいって見ると、いま現在、枝折戸の外へ待たせておいたはずのお米が、見る影もなく痩せほそって寝ている……」
顎十郎は、薄笑いをしながら聴いていたが、どうにも我慢がならないというふうにヘラヘラと笑い出し、