Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かぜ

風

壺井 栄

Lesen Sie 風 (かぜ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.702 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

ときには指定された名士の宅を訪問して、談話を聞いてもこなければならないという。それを思って茂緒は、

「ね、あなたの着るもの買ったら。」

「それほどの余裕あるかね。質も出さんならんし、家賃も払わんならんし。それよりも、おれ、あまったら靴買いたいんだ。」

彼のよそゆきの靴は歩くたびにパクパク口をあけるので、雨の日はぜったいにはけなかった。底だけでなく上まで破けているので、もう修繕もできない。ただ靴をはいているというだけの役目をしかしていなかった。だから、今も修造は下駄ばきである。

「じゃあ、靴、買いましょうよ。」

都会は便利であった。机と思えば机があり、靴だと思えば靴屋がある。

「お金って、だからいやだわ。ないと、なんにも買えないんだもの。買うどころか、食べることもできない。だから、あるうちに買っちゃいましょうね。」

茂緒はふと、田舎を出るとき小菊に土産を約束したのを思いだし、文房具屋によった。色鉛筆の十二色を買って出てくると、靴の包みをさげた修造は十間ほどむこうをゆっくりと歩いていた。足早になって追いつこうとする茂緒の行く手に、

――ちょっと、ちょっと。早く!……