Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜとき からすときつね

風と木 からすときつね

小川 未明

Lesen Sie 風と木 からすときつね (かぜとき からすときつね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.452 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

風と木

風と木

広い野原は、雪におおわれていました。無情な風が、わが世顔に、朝から夜まで、野原の上を吹きつづけています。その寒い風にさまたげられて、木の枝は、すこしもじっとしておちついていることができません。しきりに振り起こされては、氷のような空気の中に無理やりに躍らなければなりませんでした。

「もし、もし、北風さん、そう私をいじめるものではありません。私は、いま、春になる前の用意をしているのです。あなたが、この野原をひとりよがりに駈けまわっていなさるのも、わずかな間です。北の遠い地平線のあちらへ、あなたは、やがて帰っていく身ではありませんか。そう、私をいじめるものではありませんよ。」と、木の枝は、風に向かって叫んだのです。

北風は、これを聞くと、からからと笑いました。

「春になれば、私は、それは北の遠くへ帰ってしまうのさ。そして、こんどは、南からやさしい風が吹いてきて、おまえさんたちの頭を軽く、しんせつになでてくれるよ。けれど、あちらの池にきている雁が頼んで、いうのには、どうかもうすこし、元気よく吹いていてくれ、あんなほおじろとか、うぐいすとかいうような、人間のおもちゃにされるような、女々しい、虚栄心の強い小鳥どもが、いばり出すのは、しゃくだというのだ……。