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Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜにのってくるコロポックル

風に乗って来るコロポックル

宮本 百合子

Lesen Sie 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.458 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の大掛りな快楽を裏付けする何等かの苦痛、何等かの犠牲が捧げられなければ、気がすまない。

気の小さい仲間の者達の、羨望や嫉妬の真只中を、泣き付く父親を片手で振り払い、振り払い、片手に女を引立てて、畑地と引換えに引っ攫(さら)って来た金を鳴らしながら、悠然と闊歩してこそ、彼の生甲斐はある。

詰り、彼がイレンカトムの処へ行ったのは、相談ではない。宣告を下しに行ったようなものなのである。彼は、毎日愉快な美くしい顔をして、鼻歌を歌いながら、土地の買いてを探していた。

それは勿論、イレンカトムの持っている土地全部から見れば、二町の畑はそんなに大した部分ではない。

彼はもう年も取って、自分で耕作することはむしろ苦痛なのだから、人に貸すことなら、承知もしただろう。

けれども永久に手離してしまうことは堪らなかった。地の中から生え抜きになっている彼は、何よりも「地」が大切である。が仕方がない。「可愛(めんご)い豊」のためになら、彼はそれも忍んだろう。しかし! 彼が東京等へ行くことだけは、そりゃあ決してならぬ! 決してならぬ!

自分は、もうこんなに年を取っている。