Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜにのってくるコロポックル
風に乗って来るコロポックル
宮本 百合子
Lesen Sie 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.458 Zeichen · 39 Bildschirme
彼は嬉しまぎれに、空前の三円と云う大金を小遣に遣って、部落から三里ほど西の、町の馬車屋に棲み込ませた。
豊は馬車屋に寝起きして、日に一度ずつその町から、イレンカトムの部落を通って、もう一つ彼方の町まで、客を乗せて往復するはずなのである。
毎朝毎朝、眼を覚すや否や、飯もそこそこにして、豊坊の雄姿を楽しみに、往還へ出え出えしていた彼は、或る朝、彼方の山を廻って来る馬車が、いつもとは違う御者を乗せているのを発見した。
イレンカトムは、幾年振りかで強く鼓動する胸の上に腕を組みながら、ジッと瞳を定めて見ると、確かに! 御者は紛うかたも無い、豊坊である。
いかにも気取った風で、鞣革(なめしがわ)の鞭を右の手で大きく廻しながら横を向いて、傍の客と何か話している彼の洋服姿は、愛すべきイレンカトムの心に、いかほどの感動を与えたことだろう。
笑う毎にキラキラする白い歯、丸い小さい帽子の下で敏捷(すば)しこく働く目の素晴らしさ。
見ているうちに馬車はだんだん近づく。
そして、彼の立っている処からは、一二町の距離ほかなくなった。
すると、今まで傍を向きっきりだった豊は、迅速に顔を向けなおすやいな、いきなり体を浮かすようにして、