Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのたより
風の便り
Lesen Sie 風の便り (かぜのたより) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.044 Zeichen · 66 Bildschirme
五歳になります。)もおとなしくお留守番をしています、とも書かれていました。どうしても、ここで一篇、小説を書かなければ、家へも面目なくて帰れない気持です。毎日こんな、だらしない事では、どう仕様もございません。
どうやら今夜の手紙も、しどろもどろ(あなたの言葉で言えば、嘘だらけ)の手紙になりました。かなぶんぶんが、次から次と部屋へはいって来て、どうも落ちついて書けませぬ。この部屋は、この宿のうちで最下等の部屋のようであります。襖の絵が、全然なっていません。一本の梅の枝に、鶯が六羽ならんでとまっている絵があります。見ていると、腹が立って来ます。ひどい絵です。
だらだら勝手な事ばかり書いて来ました。いちいちお読み下さったとしたら恐縮です。でも、もう怒らないで下さい。あなたは、すぐ怒るからいけません。もう、あんな長い堂々のお手紙ばかりはごめんですよ。
ご存じですか? 私は、あなたとこんな手紙の往復が出来て、幸福なんですよ。私は、二十も若くなりました。草々頓首。
七月七日深夜。木戸一郎
井原退蔵様
木戸君。
やっぱり自分のほうが、君より役者が一枚上だと思った。