Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのたより
風の便り
Lesen Sie 風の便り (かぜのたより) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.044 Zeichen · 66 Bildschirme
自分は、貧乏人根性は、いやだ。いじいじして、人の顔色ばっかり覗いている。自分は君に、尊敬なんか、してもらいたくなかった。お互い、なんの警戒も無しに遊びたかったのです。それだけだ。
君は、愛情のわからぬ人だね。いつでも何か、とくをしようとしていらいらしている、そんな神経はたまらない。人に手紙を出すのも、旅行するのも、聖書を読むのも、女と遊ぶのも、井原と冗談を言い合うのも、みんな君の仕事に直接、役立つようにじたばた工夫しているのだから、かなわない。そんなに「傑作」が書きたいのかね。傑作を書いて、ちょっと聖人づらをしたいのだろう。馬鹿野郎。
自分は君に、「作家は仕事をしなければならぬ。」と再三、忠告した筈でありました。それは決して、一篇の傑作を書け、という意味ではなかったのです。それさえ一つ書いたら死んでもいいなんて、そんな傑作は、あるもんじゃない。作家は、歩くように、いつでも仕事をしていなければならぬという事を私は言ったつもりです。生活と同じ速度で、呼吸と同じ調子で、絶えず歩いていなければならぬ。どこまで行ったら一休み出来るとか、これを一つ書いたら、当分、威張って怠けていてもいいとか、そんな事は、学校の試験勉強みたいで、ふざけた話だ。