Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのたより
風の便り
Lesen Sie 風の便り (かぜのたより) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.044 Zeichen · 66 Bildschirme
なめている。肩書や資格を取るために、作品を書いているのでもないでしょう。生きているのと同じ速度で、あせらず怠らず、絶えず仕事をすすめていなければならぬ。駄作だの傑作だの凡作だのというのは、後の人が各々の好みできめる事です。作家が後もどりして、その評定に参加している図は、奇妙なものです。作家は、平気で歩いて居ればいいのです。五十年、六十年、死ぬるまで歩いていなければならぬ。「傑作」を、せめて一つと、りきんでいるのは、あれは逃げ仕度をしている人です。それを書いて、休みたい。自殺する作家には、この傑作意識の犠牲者が多いようです。
君が、このごろまた仕事をはじめるようになったというのは、自分にとっても力強い事でした。絶えず、仕事をつづけなければならぬ。けれども、その、モーゼの一篇で君の危機が全部、切り抜けられると思ったら、間違いです。一篇の小説で、勝負をきめようという意識は捨てなさい。自分たちは、ルビコン河を渡る英雄ではないのです。こんどの君の小説は、面白そうです。四十年の荒野の意識は、流石に、たっぷりしています。君の感興を主として、濶達に書きすすめて下さい。