Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うま

馬

佐左木 俊郎

Lesen Sie 馬 (うま) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.299 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、伝平の眼には、いつの間にか涙がするすると湧いて来る。伝平はすると、馬の首に手をかけて、その眼を馬の顔に押し当てるのだった。

「汝等あ、馬を大切にしなくちゃなんねえぞ。兄ちゃんの身代わり金で買ったのだから、馬だって、兄ちゃんと同じことだぞ。兄ちゃんさ美味いもの喰わせるつもりで、美味そうな青い草でもあったら、取って来て喰わせたり、大切にしなくちゃなんねえぞ。」

伝平は、そう小さな子供達に言うのだった。

「耕! 耕! 耕や!」

伝平は馬の肩を撫でながら、そんな風に言っていることもあった。

「伯楽は、なんのつもりで、馬を買ったんだべ? 馬を遊ばせて置いて、伯楽は自分で重いものを背負っているじゃねえか? 自分で馬を持ったことねえもんだから、惜しくて、使われねえのじゃねえか?」

部落ではそんな噂をしていた。いくらかそんな気持ちもあるにはあったが、伝平夫婦には、馬が伜の耕平に見えて仕方がないのだった。女房のスゲノも、涙がじめじめとわけもなく出て来るときなど、馬小屋へ行っては、馬の肩を撫でながら、一時間でも二時間でも馬の眼を視詰めていた。

*

併し、農事が忙しくなると、やはり、飼ってある馬を使わずにはいられなかった。