Japanische Klassiker mit Furigana
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えきふにっき
駅夫日記
白柳 秀湖
Lesen Sie 駅夫日記 (えきふにっき) von 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.989 Zeichen · 69 Bildschirme
姿を水に投げている。
六
岡田の話では高谷千代子の家は橋を渡って突き当りに小学校がある、その学校の裏ということである。それを尋ねて見ようというのではないけれども、私はいつとはなしに大鳥神社の側を折れて、高谷千代子の家の垣根に沿うて足を運んだ。
はるかに火薬庫の煙筒は高く三田村の岡を抽いて黄昏の空に現われているけれども、黒蛇のような煤煙はもうやんでしまった。目黒川の対岸、一面の稲田には、白い靄が低く迷うて夕日が岡はさながら墨絵を見るようである。
私がさる人の世話で目黒の停車場に働くことになってからまだ半年には足らぬほどである。初めて出勤してその日から私は千代子のあでやかな姿を見た。千代子はほかに五六人の連れと同伴に定期乗車券を利用して、高田村の「窮行女学院」に通っているので、私は朝夕、プラットホームに立って彼女を送りまた迎えた。私は彼女の姿を見るにつけて朝ごとに新しい美しさを覚えた。
世には美しい人もあればあるもの、いずくの処女であるだろうと、私は深く心に思うて見たがさすがに同職に聴いて見るのも気羞かしいのでそのままふかく胸に秘めて、毎朝さまざまの空想をめぐらしていた。