Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

がいこつのくろんぼ

骸骨の黒穂

夢野 久作

Lesen Sie 骸骨の黒穂 (がいこつのくろんぼ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.160 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

巡査が茶を飲みに立寄ったりすると、取っときの上酒をソッと茶碗に注いだり、顔の通った人事係が通ると、追いかけて呼び込んで、手造りの濁酒の味見をしてもらったりした。

この藤六老爺には妙な道楽が一つあった。それは乞食を可愛がる事で、どんなにお客の多い時分でも、表口に突立って這入らない人間が在ると、藤六は眼敏く見付けて、眼に立たないように何かしら懐中から出してやって立去らせるのであった。立去るうしろ姿を見ると老人、女、子供は勿論のこと血気盛んな……今で云うルンペン風の男も交っていた。

お客の居ない時なんぞは、母子連れの巡礼か何かに、何度も何度も御詠歌を唱わせて、上口に腰をかけたまま聞き惚れているような事がよくあった。そのうちにダンダン感動して来ると、藤六の血色のいい顔が蒼白く萎びて、眉間に深い皺が刻み出されて、やがてガックリと頸低れると、涙らしいものをソッと拭いているような事もあった。そんな場合には巡礼に一升ぐらいの米と、白く光るお金を渡しているのが人々の眼に付いた。

麦の穂が出る頃になると藤六は、やはり店に人の来ない時分を見計らって、家の周囲の麦畑へ出て、熱心に麦の黒穂を摘んでいる事があった。