Japanische Klassiker mit Furigana
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げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme
「い……い……え」ときれぎれに答えたり。
老夫は心地よげに高く笑い、
「むむ、もっともだ。そうやすっぽくあきらめられるようでは、わが因業も価値がねえわい。これ、後生だからあきらめてくれるな。まだまだ足りない、もっとその巡査を慕うてもらいたいものだ」
女はこらえかねて顔を振り上げ、
「伯父さん、何がお気に入りませんで、そんな情けないことをおっしゃいます、私は、……」と声を飲む。
老夫は空嘯き、
「なんだ、何がお気に入りません? 謂うな、もったいない。なんだってまたおそらくおまえほどおれが気に入ったものはあるまい。第一容色はよし、気立てはよし、優しくはある、することなすこと、おまえのことといったら飯のくいようまで気に入るて。しかしそんなことで何、巡査をどうするの、こうするのという理窟はない。たといおまえが何かの折に、おれの生命を助けてくれてさ、生命の親と思えばとても、けっして巡査にゃあ遣らないのだ。おまえが憎い女ならおれもなに、邪魔をしやあしねえが、かわいいから、ああしたものさ。気に入るの入らないのと、そんなこたあ言ってくれるな」
女は少しきっとなり、
「それではあなた、あのおかたになんぞお悪いことでもございますの」