Japanische Klassiker mit Furigana
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げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme
かく言い懸けて振り返りぬ。巡査はこのとき囁く声をも聞くべき距離に着々として歩しおれり。
老夫は頭を打ち掉りて、
「う、んや、吾ゃあいつも大好きさ。八円を大事にかけて、世の中に巡査ほどのものはないと澄ましているのが妙だ。あまり職掌を重んじて、苛酷だ、思い遣りがなさすぎると、評判の悪いのに頓着なく、すべ一本でも見免さない、アノ邪慳非道なところが、ばかにおれは気に入ってる。まず八円の価値はあるな。八円じゃ高くない、禄盗人とはいわれない、まことにりっぱな八円様だ」
女はたまらず顧みて、小腰を屈め、片手をあげてソト巡査を拝みぬ。いかにお香はこの振舞を伯父に認められじとは勉めけん。瞬間にまた頭を返して、八田がなんらの挙動をもてわれに答えしやを知らざりき。
五
「ええと、八円様に不足はないが、どうしてもおまえを遣ることはできないのだ。それもあいつが浮気もので、ちょいと色に迷ったばかり、おいやならよしなさい、よそを聞いてみますという、お手軽なところだと、おれも承知をしたかもしれんが、どうしておれが探ってみると、義延(巡査の名)という男はそんな男と男が違う。