Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme
後ろから声がして、庭先へ立ったのは、四十七八の、浪人風の男でした。総髪にした胡麻塩頭、まだ皺も寄らない逞しい身体と、微笑をたたえた柔和な顔、何んとなく人好きのする中年者で、身扮も折目正しく、一本差した腰も軽く、顔見知りの八五郎にまで、隔てのない笑顔を見せます。
「親分、お隣に住んでいらっしゃる岡さんですよ」
長崎屋の用心棒で、主人の仲間の一人を八五郎は紹介しました。親しそうな笑顔を見せられると、そうでも言わなければ、ならないような気になるのでした。
「八五郎親分とはすっかり昵懇になったが、高名な銭形の親分は初めてだ、思ったより若いなア」
岡浪之進は自分の腰に手を当てて、年寄臭く反り身になったりするのです。
「恐れ入ります。まだ若造で」
「いや、どうしてどうして、大いした智恵者だということだ、現に内儀を殺したのを、その長持の棒と睨んだのは大したことだな」
「恐れ入ります」
「尤も、大の男二人の力で殺したと見たのは行き過ぎだよ、――内儀の床は箪笥の前から三尺も離れて居ない」
「へエ?」
「その箪笥の下の引出しを五六寸抜き出して、その下に棒の端っこを噛ませ、棒の先三尺ほどのところを内儀の首に当てて、此方の端を力いっぱい押すと、女や子供のような非力なものでも、棒が槓杆になるから、恐ろしい力で内儀の喉笛を潰せる、下手人は一人で