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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

鬼の面 ――銭形平次傑作選3

野村 胡堂

Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

たくさんではないか」

「あ、なるほど」

八五郎は胆を潰しました、この浪人者は何んという結構な智恵の持主でしょう。

「岡さんは長崎からの古い知合で、江戸へいっしょに出て、今では何彼と世話になっておりますよ」

主人の七郎兵衛は、岡浪之進の智恵に舌を巻いている平次の耳の側に、そっと、こう誇らしく囁くのでした。

「いや、これはほんの素人量見だ、銭形の親分が聴いたらさぞ可笑しかろう」

「どういたしまして、そこまでは私も気がつきません」

平次は素直に褒めて置いて、縁側から庭へ降り立ちました。狭い庭にも夏らしい緑が茂って、隣との間に、型ばかりの四尺ほどの建仁寺垣があり、それに外から、六七尺ほどの、小さい植木梯子を掛けてあるのが気になります。

「こんな竹垣なんか、苦もなく飛越せそうなものじゃありませんか」

八五郎がその垣の上へ、長い顎を載っけて、垣の外の路地を眺めているのも、不思議な図でした。

「四尺の建仁寺垣が飛越せないというのは、よくよく不景気な奴にきまって居るよ。でも、梯子は向う側に掛けてあるから、帰りはどうして垣を越したのかな。それからあの長持の棒で喉笛を潰されながら、音も立てずに死んで行ったのは不思議でならないが」