Japanische Klassiker mit Furigana
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あゆのくいかた
魯山人の食卓
北大路 魯山人
Lesen Sie 魯山人の食卓 (あゆのくいかた) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.022 Zeichen · 115 Bildschirme
そこで育ったのが久兵衛で、彼に名人芸があるとすれば、これは生得で主人から教えてもらったものではあるまい。それで魚肉を薄く切る陋習が今に残っているものと思う。
およそ先入観とは恐ろしいもので、誰であっても、一度身についた先入観は容易に改められないものである。ある時寿司台の前に座す客が、彼に「もう少し厚く切ってくれ」と希望をいった。彼は「寿司ですからね」といい切った光景を私は隣席で見たが、遂に彼は改めなかった。まぐろというものはむやみに厚切りするものではないという彼の信念が表われていておもしろい。
そこへゆくと新富支店は、本店の主人に従っていたためかいささか、この方にイナセな名人肌というものを受け継いでいる。まぐろの切り方が第一それである。
戦後のこと、魚河岸にまぐろが二本か三本しか来なかったといって、普通の店舗に入らなかった場合にも、この店には堂々たるまぐろが備えてあった。他の寿司屋ではそうはいかない。久兵衛もまぐろとなると平均してみっちゃんには及ばない。この一心太助にして、これはいかなるわけかといささか懐疑の念を抱かざるを得ない。
しかし、寿司はよき飯あっての寿司だといえる。