Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
その頃朋友の中で最も親しかった者は、由井弁三郎、錦織左馬太郎、籾山駿三郎等で、いずれも漢籍を好んだ仲間である。これらの友人どもとは明教館で語り合うのみならず、自宅でも経書の研究会を開く事なぞがあった。私の父はさほど漢学を深くも修めていなかったが祖父なるものは徂徠派の学を究め、旁ら甲州派の軍学も印可を受るまでになっていた。それらの文武の書籍も沢山に遺っていたので、私は本箱を探してそれらの物を見たが、就中、仁斎や徂徠春台の経書の解釈に属する書を読んだ。するとこれまで朱子の註釈した経書とは大いに違い、むしろ朱子の註よりも、私の心に適う点も少なくなかったので、その後由井等と共に研究する時には、これらの古学古義派の説をも持出して、彼らを煙に巻いた事もあった。
しかし、明教館の先生の前へ出ては、そんな事は一言も吐かなかった。もし一言でも吐こうものなら、お目玉を喰うのみならず、退学を命ぜられるのである。寛政年間、桑名の楽翁が当局中に漢学は程朱の主義に従うべきものと一般に規定せられてから、私の藩などでは殊にそれを遵奉していた。明教館にもそれらの明文を掲げてあるくらいだから、もしも仁斎、徂徠の異端なる説を称うるならば、一日たりともそのままには置かれなかった。