Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
関船にはちょっとした座敷造りの狭い間が二つもあって、上の間は戸塚一人で占領し、次の間に私どもの小姓四人が居た。それから平士の三人は舷の或る間に居て、また他の舷には大勢の家来が居た。この家来は、下等な者であるから、退屈の余りには種々の噺しを始めて、中にはのろけ噺しもするし、随分猥褻なこともいっているので、私は始めてそんな噺しを聞いて面白くもあったが、また厭わしくなって来た。この海路はさほど長くかからずに大阪へ着いた。私は出立の頃から少し風邪を引いてるように思っていた、それが段々と熱も加わって、終に一日おきの間歇性即ち瘧となった。私は前にもいった如く、父の看病に京都へ行った時既にこの瘧に経験があるので、そこで自分で治す事も出来ようと思って、ちょうど備後の鞆の津に滞船した時、自分で陸へ上って薬屋で幾那塩を買った、この港は例の保命酒の本場であるから、彼方此方に土蔵造りの家屋も見えて、かなり富んでいるように思われた。それから例の如く幾那塩を飯粒の中へ入れて丸薬にして、かつての記憶の如く三度に飲んだ。後から思えばこれは、劇薬の部で分量もよく調べねばならないのに、大概の目分量で飲んでしまったが、別に害ともならず、翌日から全く熱が下った。