Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
この家老の御次ぎを通りぬける時は、当番の小姓の先輩が、面番と呼ぶ。そうすると、今まで小刀を抜いて側へ置いていささか休息していた一同が忽ち小刀を帯びてその中の二人だけ一方へ並んで坐る。その前を家老が通るが互に一礼もしない。そうして居間の外の遥か隔った所で、家老は小刀を脱いて置く、(凡て殿中では上下共に小刀のみである。長刀は君公に限り小姓が持つ。)それから、無刀のままで居間の入口から膝行して世子の側へ進んで用談をするのである。常には我々小姓が世子の居間に必ず二人ずつ詰めているが、この時だけは御次ぎの方へ下っている。そうして家老が下って次ぎまでくるや否、小姓二人は直に世子の居間へ前の如く詰るのである。居間は上の間と下の間となっていて、世子は上の間に蒲団を敷いて坐って、その側に小刀が刀架に掛かっている。長刀は少し離れた床の上に置いてある。小姓二人は下の間で世子に対って坐っていて、世子から詞を掛けられない以上一言も発せない。いつも左右の手を畳の上に突っ立てた風に置いている。膝の上にあげる事は許されない。いかにも厳しい容体で、世子を張り番しているかという風だ。