Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
もしも食べたい物があるなら、それは予め奥の方へ小姓を以て通じて、そこで調理せしめられるのである。けれどもそれも一品位に止まっていた。膳部が下った時、いかに食べ残しの物が沢山あったといっても、小姓などはそれを頂戴することは出来ないのであるが、この奥から出したものは、御次ぎへ持ち下って、残ったものは食べられる。これはいつも最先輩の一人二人の口に入るばかりであった。
今奥といったが、世子が奥へ行かれるのは一ヶ月六回に限られていた。その他は病気があっても、表の居間で臥されるので、奥へ行く事は出来ない。そうしてこの六回も昼間ではなく、六ツ時後の夜に限られていた。またこの奥といっても世子の奥方は江戸の藩邸に居られるから、御妾のみが居るので、これは世子の東西に往来せられる際、別に奥向きの役人が引連れて他の女中と共に往来したものである。ついでにいうが、大名のお妾という者はなかなか勤めにくかった者で、それは君公に対するよりも朋輩の女中と折合いが悪く、いつも女中から、いじめられた者だ。なるほど大勢の空房を守る女の中に、君公の御恩を蒙る者が一人居るのであるから、女性の妬み心はそれに集って、何とか彼とか難癖をつけて、その結果は御暇という事にもさせるのであるが、この世子に仕えていたお妾は、私の知っては長い年でもなかったから、右の