Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
毎月五日であったが、子供や女連だけでは迚も水天宮の門の中へ這入ることはむずかしいので腕力のある家来を連れて行って、それの後から辛うじて這入った。履物が脱げても拾うことは出来なかった。興行物や露店なども盛んであった。以前は私の頃よりも一層盛んであったそうだが幕府の姫が有馬家に嫁せられて、御守殿が出来てから、少し静にせよとのことで、それから多少この縁日も衰えたとの事である。
その次に縁日の盛んなのは、十日の虎ノ門の金毘羅であった。これは京極の邸に在った。その邸の門を出入することも水天宮の如く甚だ困難であった。次には廿四日の愛宕の縁日で、よくこの日は私は肩車に乗って男坂を上ったものだ。
常府の者の家族の外出は比較的自由であったが、勤番者は、田舎侍が都会の悪風に染まぬよう、また少い手当であるから無暗に使わせぬようとの意もあって、毎月四回より上は邸外へ出ることは許されなかった。その中二回は朝から暮六時まで、二回は昼八時から六時までであった。勤番者はこれを楽しみにした。彼らはその日になると目付役より鑑札を貰って出で、帰るとそれを返付した。
勤番中にも度々江戸に来た者や、或る事情で一年でなく二年以上勤続した者は、古参といって、新参の勤番者に対して権力を持ち、江戸の事情を教えて注意を加えもした。