Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
上屋敷の方は地盤が悪いので、その辺に倒れた屋敷が沢山あったが、前にもいった如く、嘉永元年に焼けて後極めて堅固に再築したので、そんな地盤の上に在りながら、この上屋敷だけは破損はしなかった。
我が藩邸と違って他の藩邸は多く潰れた。そして火事となったので死人も多く出た。翌日私の藩邸に親類のある他藩の者は続々避難に来た。皆着のみ着のままで、親を失い、子を失い、実に気の毒な様であった。或る人は、兄が梁などに敷かれている様子で姿が見えぬので、『兄さん兄さん』と呼ぶと、潰れ家の下から返事をした。やれ嬉しやと、『早く出て下さい』というと、『うむ、今出る、今出る。』といったが、いつまでも出て来ない、助け出すことも出来ぬ。そのうち火がまわって、『今出る、今出る。』という声が段々小さくなって絶えてしまったという話しも聞いた。
大地震のあとはいつもそうであるが、当分のうちは夜となく昼となく地震がある。それで家に落着いては居られぬので、その夜から門前に戸板を囲い畳を地に敷き、屏風を立てまわし、上に油紙など置いて、そこに居た。父は宅に居た。曾祖母もそんな仮小屋は厭だといって宅に居た。