Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
とかくして帰国した一年は終り、翌年になったので、お国で、一種変った新年を迎えた。まず正月の二日には君侯の館へ出て、年賀を述べる、これは江戸と同じである。それから親類を回る。それらの儀式は江戸と多く変らぬが、万歳に至っては、藩地では全く穢多のすることになっていた。三河万歳のような簡単なものではなく、三味線太鼓笛などで打囃し、初めは滑稽なるものをやるが、そのあとは芝居がかったものをやる。顔は胡粉を塗り、木綿の衣裳を着けていた。この万歳は、江戸屋敷の如く家々でするのでなく、或家でのみさせた。米を一斗とかあるいはそれ以上も与え、与えただけに芸も数多くすることになっていた。穢多であるから、庭で舞わせ庭で粗末な酒肴を与えた。私は一、二回よその内へ行ってこの万歳を見せてもらったが、江戸の芝居を見慣れた目には、いかにも馬鹿げているので、もう見ないことにした。
三月になって雛祭をした。祖母の雛は十二年前江戸へ行く時に他に預けて置いたので、それをこの節句には飾ったから古い大きな内裏様が一対増したのを嬉しく珍しく思った。私は江戸以来男ながら小さな雛を持っていたのを飾ったが、弟の大之丞が自分にも欲しいなどというのを、私は手を触らせないようにするので、よく喧嘩をした。