Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
十三郎といわれ弟さんもありましたが、字はどう書くのか覚えません。この弟さんは、兄さんの温厚なのに似ず才気煥発した方で、何か失行のあった時、名家の子弟であったためか、新聞に書立てられて、その方を鍾愛なさる母上がひどく苦になさった時など、緒方氏は母上がお気の毒だといって、寝食を忘れるほどに心配なすったのでした。
緒方氏がまだ十歳くらいの頃、大阪の家の広い庭で遊んでいられた時に、父上が厠から出られたと思うと、手洗の所でひどく咯血せられました。「それをただ立って、じっと見ていた」と話されたことがありました。父がないのだから母が思い遣られる、とよくいわれましたが、その母上は大勢のお子さんたちをお生みになって、気性のしっかりした方とのことでした。上のお兄様は陸軍の軍医になっていられ、兄が陸軍へ出るようになった始の頃に、地方へ検閲に行った時の上官で、一緒に写された写真を見ましたが、痩型の弱々しい風貌の人でした。
賀古氏も緒方氏にも妹御がおありなので、卒業後兄に縁談のあった時に、「あんなに仲よくしていたのだから、どちらの方でも貰って、ほんとの親戚になったらよかろうに」