Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

と、母が勧めたようでしたが、そのままになったのは、兄が承諾しなかったと見えます。卒業後程なく緒方氏は大阪へ帰られました。

賀古氏と兄とは、終生真実の親戚以上の交際を続けました。賀古氏は陸軍の依託学生なのでしたから、すぐに陸軍に出られて、日清日露の両役にも出征し、予備役へ編入されてから病院を開れたのです。

兄の洋行中、私が学校へ通うために、祖母と本郷の下宿に暫くいた頃に、賀古氏は病気で入院していられ、若い奥様が附添って世話をしていられました。そこへお見舞に行った祖母は、私へのおみやげというので、お菓子や果物を沢山いただいて来て、「林と同じに、孫のように思われる」といわれるのを私は笑ったことでした。その予後が思わしくなくて、一生片足を引かれるようになりました。さぞ御不自由のことでしたろう。

私が小金井の人となりましたのは、賀古氏のお世話なのでした。兄は洋行中でしたから、帰った後にと両親は思っていましたのを、次兄の篤次郎と相談して、独逸へ電報で諾否を問合せて、ずんずん事を運んでおしまいになったのです。昭和四年の九月でしたが、或日賀古氏から私宛のお手紙が来ました。