Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

」

お兄様がお気になさるのは、そうした人の噂でしょう。人はどんなことをいうのだろう。もっと聞きたいと思う内に、ぞろぞろ皆さんの足音がするので、そこを離れました。

その後はさしたることもありませんかった。お兄様はお役所の仕事の御多忙の中から、創作に翻訳に絶えず筆を執っていられます。お好きなことですからお紛れになるのでしょう。その頃には長篇なども書いていられたのでした。文部省展覧会の第二部主任でしたから、洋画の鑑査もなさるので、朝上野、それから陸軍省、それからまた上野へというようなお生活でした。

大臣も御持病はあっても勤めていられたようで、お兄様の日記には陸相の晩餐会に行く、翌日礼に行くなどと見えています。

その日記の十二月二日の条には、皇儲石本陸相の身体を懸念あらせられ、岡侍医を差遣せさせ給うと聞き、岡の診察するに先だちて会見せんと岡に申し遣るとあり、四日には、官邸に行き、皇儲の思召により岡の来診の時会談して診察に立ち会うともあります。人目に附くような容体におなりだったのでしょう。年末には大臣は国府津に避寒に行かれたようです。

翌四十五年の一月五日の新年宴会に賜餐がありました。