Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがい・そうせき・とうそんなど
鴎外・漱石・藤村など
宮本 百合子
Lesen Sie 鴎外・漱石・藤村など (おうがい・そうせき・とうそんなど) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.643 Zeichen · 10 Bildschirme
杏奴さんが、自身の筆でそこまで歴史的に父の姿を彫り出すことの出来ないのは、寧ろ自然であるとされなければなるまい。
鴎外の子供は、皆文筆的に才能がある。於菟さんも只の医学者ではない。このひとの随筆を折々よみ、纏めて杏奴さんの文章をも読み、私はこれらの若い時代の人々が文章のスタイルに於て、父をうけついでいるのみならず、各自の生活の輪が、何かの意味で大きかった父という者の描きのこした輪廓の内にとどめられていることを痛感した。
漱石は、その作品の中で、生れて来る子供たちに向ってどうしていいのか、なるようにならせるしか手がない、と云っている。鴎外は反対であったらしい。「晩年の父」の中には、女学校に入る娘を博物館の勤めさきまでつれて行ってやって算術の稽古をしてやっている父鴎外の姿が、溢れるなつかしさをこめて描かれている。従って、子供たちが、有形無形に父から与えられているものは、深く、しっかり根を張っているであろう。女の子の心持にすれば、結婚をするにも父鴎外を自分に近い程度で敬愛するひと、少くとも熱中している自分の感情を傷けるようなものを(客観的にそれが正当な性質のものでも)持たぬひととの結合が、自ら生じがちであろう。