Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがい・そうせき・とうそんなど
鴎外・漱石・藤村など
宮本 百合子
Lesen Sie 鴎外・漱石・藤村など (おうがい・そうせき・とうそんなど) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.643 Zeichen · 10 Bildschirme
長女茉莉子さんの長子が、やはり西洋風の発音で、漢字名をつけられている。そのように、根はひろく、ふかいのである。
卓抜な芸術家は人間的磁力がきついものである。家庭のまわりのものに影響の及ぼさぬ程の熱気とぼしい存在で、巨大な芸術的天分を発揮し得よう筈はなく、それらの人々の子は誇りをもって父を語ることこそ自然である。だが私は、最も人間性の発展、独自性、時代性、そこに生じるさまざまの軋轢、抗争の価値を理解する筈の芸術家の生活の中でも、親子の関係は人間的先輩が次代の担いてである若い人間を観るという風に行っていない場合が多く、よきにせよ、あしきにせよ、家長風なものが尾を引いていることに注意をひかれる。日本文化の一つの負担として注意をひかれているのである。
漱石のように生き、生涯を終った作家の周囲では、先輩の弟子たち、親友たちが、没後何とはなし家長的位置におかれる。伯林の国立銀行の広間の人ごみの間で、私は不図自分にそそがれている視線を感じ、振りかえってその方を見たら、そこにはまがうかたなき漱石の面影をもった一人の若者が佇んでいた。ヴァイオリンが上手だときいた漱石の長男とはこのひとか。