Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おうそんせんせいげんこうろく
黄村先生言行録
Lesen Sie 黄村先生言行録 (おうそんせんせいげんこうろく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.786 Zeichen · 27 Bildschirme
「失礼ですが、旦那がたは、学校関係の?」
「いや、どこにも関係は無い。そちらの書生さんは文士だ。未だ無名の文士だ。私は、失敗者だ。小説も書いた、画もかいた、政治もやった、女に惚れた事もある。けれどもみんな失敗、まあ隠者、そう思っていただきたい。大隠は朝市に隠る、と。」先生は少し酔って来たようである。
「へへ、」大将はあいまいに笑った。「まあ、ご隠居で。」
「手きびしい。一つ飲み給え。」
「もうたくさん。」大将は会釈をして立ち上りかけた。「それでは、これで失礼します。」
「待った、待った。」先生は極度にあわてて大将を引きとめ、「どうしたという事だ。話は、これからです。」
「その話が、たいていわかったもんで、失礼しようと思ったのです。旦那、間が抜けて見えますぜ。」
「手きびしい。まあ坐り給え。」
「私には、ひまがないのです。旦那、山椒魚を酒のさかなにしようたって、それあ無理です。」
「気持の悪い事をおっしゃる。それは誤解です。山椒魚を焼いてたべる人があるという事は書物にも出ていたが、私は食べない。食べて下さいと言われても、私は箸をつけないでしょう。山椒魚の肉を酒のさかなにするなんて、私はそんな豪傑でない。