Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんのまくら
黄金の枕
田中 貢太郎
Lesen Sie 黄金の枕 (おうごんのまくら) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.073 Zeichen · 7 Bildschirme
主婦は室の東側になった卓の上へそれを置かした。
「何もありませんが、召しあがってくださいまし」
主婦はその方へ指をさした。道度は親類の家の食膳でもあるかのように遠慮せずにそこへ往った。香りのいい酒も添えてあった。
道度は酒を飲み肉を喫った。二人の女が傍にいて給仕をした。女の顔には笑いが漂うていた。道度はもうすっかり寛いで、持ち前の男らしさを見せていた。
道度は主婦と並んで腰を掛けていた。燈火の光が室の中を紅く染めていた。道度はうっとりとなっていた。
「あなたは、私をどんな者と思います」
道度は主婦の素性などはどうでもよかった。
「私はまだ、あなたが、どういう方であるかというようなことを、考えたことはありません」
「私は秦の閔王の女でございましたが、この曹の国に迎えられてきて、二十三年間、独りでおる者でございます」
道度はそうした貴族と同席することを名誉に感じた。
「あなたがお厭でなければ、夫婦になりましょう」
「でも、あなたは、たっとい御身分の方ですから」
主婦の美しい身体は道度に寄り掛かっていた。
主婦と道度は青い帷の陰になった榻の上へ並んでいた。
「こうして、あなたと、三日三夜おりましたが、これ以上いっしょにおりますと、災があります、これからどうか帰ってください」