Japanische Klassiker mit Furigana
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くろいちょうとおかあさん
黒いちょうとお母さん
小川 未明
Lesen Sie 黒いちょうとお母さん (くろいちょうとおかあさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.136 Zeichen · 5 Bildschirme
このごろ毎日のように昼過ぎになると、黒いちょうが庭の花壇に咲いているゆりの花へやってきます。
最初、これに気がついたのは、兄の太郎さんでした。
「大きい、きれいなちょうだな。小鳥ぐらいあるかしらん。弟が見つけたら、きっとつかまえてしまうだろう、今年の夏は、すばらしい昆虫の標本をつくるのだといっていたから。弟の帰らないうちに、はやく逃げていってしまえばいいにな。」
太郎さんは、こう思いながら、白いゆりの花にとまってみつを吸っているくろあげはを見守っていました。ちょうは、すこしの不安もなく、さもたのしそうに、花にたわむれているごとく見えました。
そのうちに、十分、みつを吸ってしまったので、ひらひらと重そうに、翅をふって垣根を越えて、まぶしい、空のかなたへ、飛んでいってしまいました。
翌日は、土曜日で、二郎さんも早く学校から帰ってきました。そして、みんなが、お縁側で話をしていました。
「うちのゆりは、やまゆりだろう。あの種子はどうしたのだろうね。」
二郎さんは日の光に、銀色にかがやいているゆりを見ていいました。
「お父さんが、田舎から、持っていらしたのだ。