Clásicos japoneses con furigana
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Lee おごそかな渇き (おごそかなかわき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 36.042 caracteres · 71 pantallas
た、悲しかった、と思い続けるのは人間だけだ。
「あの人たちには詫びのしようがない」と隆二は声にだして呟き、空を見あげた、「――ぼくは忘れません、お母さんのあのときの言葉は忘れませんよ、決して」
竹中啓吉の娘のりつ子が、細い踏みつけ道の坂を登って来た。粉雪が髪の毛に降りかかり、頬が赤くなっていた。
「せんせい、どうかなすったんですか」
先生と云われて隆二は戸惑い、「ぼくがどうかしているように見えるの」ときき返した。
「昨日より痩せたようだわ」とりつ子が云った、「いちにちでこんなに変った顔つきを見たのは初めてだわ」
松山隆二はどきっとした。りつ子の観察には、少女よりも女にちかいものを感じたからである。そして、それがすぐりつ子にも反射的に感じられたとみえ、眼つきや身ぶりに、それとわかるほどの羞らいと媚があらわれた。
「なんでもないよ」彼はできるだけなにげなく、りつ子の肩を叩いて云った、「――お父さんのとこへいくのかい」
りつ子は首を振った、「ううん、せんせいを迎えに来たのよ」
「どうしてお父さんのとこへいかないの」
「ブラジルってどんなとこかしら」りつ子は眼は伏せながら云った、「あたし、ほんとは、せんせいといっしょに東京へいきたいの、ブラジルなんていやなのよ」