Clásicos japoneses con furigana
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こころ
こころ
Lee こころ de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.915 caracteres · 322 pantallas
ところが帰って見ると叔父の態度が違っています。元のように好い顔をして私を自分の懐に抱こうとしません。それでも鷹揚に育った私は、帰って四、五日の間は気が付かずにいました。ただ何かの機会にふと変に思い出したのです。すると妙なのは、叔父ばかりではないのです。叔母も妙なのです。従妹も妙なのです。中学校を出て、これから東京の高等商業へはいるつもりだといって、手紙でその様子を聞き合せたりした叔父の男の子まで妙なのです。
私の性分として考えずにはいられなくなりました。どうして私の心持がこう変ったのだろう。いやどうして向うがこう変ったのだろう。私は突然死んだ父や母が、鈍い私の眼を洗って、急に世の中が判然見えるようにしてくれたのではないかと疑いました。私は父や母がこの世にいなくなった後でも、いた時と同じように私を愛してくれるものと、どこか心の奥で信じていたのです。もっともその頃でも私は決して理に暗い質ではありませんでした。しかし先祖から譲られた迷信の塊りも、強い力で私の血の中に潜んでいたのです。今でも潜んでいるでしょう。
私はたった一人山へ行って、父母の墓の前に跪きました。