Clásicos japoneses con furigana
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こころ
こころ
Lee こころ de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.915 caracteres · 322 pantallas
だから中間に立つ先生を取り除ければ、つまり二人はばらばらになっていた。それで始めて知り合いになった時の奥さんについては、ただ美しいという外に何の感じも残っていない。
ある時私は先生の宅で酒を飲まされた。その時奥さんが出て来て傍で酌をしてくれた。先生はいつもより愉快そうに見えた。奥さんに「お前も一つお上がり」といって、自分の呑み干した盃を差した。奥さんは「私は……」と辞退しかけた後、迷惑そうにそれを受け取った。奥さんは綺麗な眉を寄せて、私の半分ばかり注いで上げた盃を、唇の先へ持って行った。奥さんと先生の間に下のような会話が始まった。
「珍らしい事。私に呑めとおっしゃった事は滅多にないのにね」
「お前は嫌いだからさ。しかし稀には飲むといいよ。好い心持になるよ」
「ちっともならないわ。苦しいぎりで。でもあなたは大変ご愉快そうね、少しご酒を召し上がると」
「時によると大変愉快になる。しかしいつでもというわけにはいかない」
「今夜はいかがです」
「今夜は好い心持だね」
「これから毎晩少しずつ召し上がると宜ござんすよ」
「そうはいかない」
「召し上がって下さいよ。その方が淋しくなくって好いから」