Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
Lee 三枚続 (さんまいつづき) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 63.572 caracteres · 124 pantallas
町内の若い者、頭分、芸妓家待合、料理屋の亭主連、伊勢屋の隠居が法然頭に至るまで、この床の持分となると傍へは行かない。目下文明の世の中にも、特にその姿見において、その香水において、椅子において、ばりかんにおいて、最も文明の代表者たる床屋の中に、この床ッ附ばかりはその汚さといったらないから、振の客は一人も入らぬのであるが、昨日は一日仕事をしたから、御覧なさいこの界隈にちょっと気の利いた野郎達は残らず綺麗になりましたぜ、お庇様を持ちまして、女の子は撫切だと、呵々と笑う大気焔。
もっとも小僧の時から庄司が店で叩込んで、腕は利く、手は早し、それで仕事は丁寧なり、殊に剃刀は稀代の名人、撫でるようにそっと当ってしかも布を裂くような刃鳴がする、と誉め称えて、いずれも紋床々々と我儘を承知で贔屓にする親方、渾名を稲荷というが、これは化かすという意味ではない、油揚にも関係しない、芸妓が拝むというでもないが、つい近所の明治座最寄に、同一名の紋三郎というお稲荷様があるからである。
「お前どこかでまた酒かい。」と客は笑いながら、
「珍しくはないがよく怠惰けるなあ。」
「何、今度ばかしゃ仲間の寄でさ、少々その苦情事なんでして、」