Clásicos japoneses con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lee 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.861 caracteres · 480 pantallas
どうぞ御安心遊ばして、お待ちなさいませ」
まことしやかなお蓮さまの言葉に、老先生は、満足げにうち笑んで、
「源三郎に会うて、萩乃の将来を頼み、この道場をまかせぬうちは、行くところへも行けぬ。もはや品川あたりに、さしかかっておるような気がしてならぬが、テモ遅いことじゃのう」
と司馬先生は、絶え入るばかりに、はげしく咳く。
いまこの室内に詰めているのは、医師をはじめ、侍女、高弟たち、すべてお蓮さま一派の者のみである。老先生と柳生対馬守とのあいだにできたこの婚約を、じゃまして、これだけの財産と道場を若い後妻お蓮様の手に入れ、うまい汁を吸おうという陰謀なのだ。
剣をとっては十方不知火、独特の刀法に天下を睥睨した司馬先生も、うつくしい婦人のそらなみだには眼が曇って、このお蓮さまの正体を見やぶることができなかった。
十方不知火の正流は、ここに乗っ奪られようという危機である。
多勢が四方から、咳き入る先生をなでるやら、擦るやら、半暗のひと間のうちが、ざわざわ騒ぎたったすきに乗じて、お蓮さまはするりと脱け出て、廊下に立ちいでた。
嬋妍たる両鬢は、秋の蝉のつばさである。