Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lee 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.861 caracteres · 480 pantallas

Aozora Bunko

二

これを聞くと、樽のような胆ッ玉の対馬守、さっと蒼味走った額になって、

「事実か、それは! 金魚が――金魚が……ウウム、予も早駕籠を走らせてどこぞへ行きたい」

貧乏な柳生藩に、この重荷ですから、破産したって、借金したって追っつかない。天から降った災難も同然で、殿をはじめ、一座暗澹たる雲に閉ざされたのも、無理はありません。

と言って、のがれる術はない。死んだ金魚をうらんでもはじまらないし……と、しばし真っ蒼で瞑目していた柳生対馬守、

「山へまいる。したくをせい」

ズイと起ちあがった。

二

山へ……という俄の仰せ。

だが、思案に余った対馬守、急に思い立って、これから憂さばらしに、日本アルプスへ登山しようというじゃアありません。

お城のうしろ、庭つづきに、帝釈山という山がある。山といっても、丘のすこし高いくらいのもので、数百年をへた杉が、日光をさえぎって生い繁っている。背中のスウッとする冷たさが、むらさきの山気とともに流れて、羊腸たる小みちを登るにつれて、城下町の屋根が眼の下に指呼される。

どこかに泉があるのか、朽葉がしっとり水を含んでいて、蛇の肌のような、重い、滑かな苔です。