Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lee 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 149.721 caracteres · 296 pantallas
「それを聞いたときわたし、気が遠くなりそうでした」とおつるは云った、「そのときはもうくらしが苦しいので、ばあやには暇を出したあとなんですけど、ことによるとばあやがなにか根もない告げ口でもしたんでしょうか、こっちには証人がいるんだという口ぶりでした」
およねはそっと頷いてみせた。
「それっきりよりつかなくなり、僅かずつでも届いていた手当さえ、一文も来なくなったんです」おつるは機械的に眼を拭いた、「それでなくとも手内職をしなければやってゆけなかったのに、身重になって手当が一文も来ないんですから、どうにもしようがありません、その家をたたんで、同じ二丁目の裏店へ引越しました」
それから出産まで、出産してから今日まで、買って貰った着物や帯や、頭の道具などを売って、内職の足しにしながらどうやら凌いで来た。けれども源次郎の気の変る望みもないし、このままでは親子三人が飢え死にするかもしれないので、いっそ常陸の田舎へ帰ろうと思った。
「まだ二た親がいますからね、まさか追い帰しもしないでしょうけれど」とおつるは続けた、「こんな小さなのを二人も伴れてゆくんですから、兄よめの手前もまさか手ぶらじゃあ帰れません、それで思いきって丸梅の店へ訪ねてゆきました」