Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Lee 凡人伝 (ぼんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.944 caracteres · 202 pantallas

Aozora Bunko

市を貫いて大川というのが流れている。上流は家疎らで、多少風致がある。此方も閑潰しだ。側に坐って、

「何うですか? 釣魚は面白いですか?」

と訊いて見た。

「然うですね」

と五味君は少時浮を睨んでいて、一尾釣り上げた。それを畚に納めてから、

「面白いです」

と答えた。

「何ですか? 今お釣りになった魚は」

「然うですね」

「小さかったですな」

「っ子ですよ」

「沢山釣れますか?」

「然うですね」

「畚を拝見します」

と私は引き上げて見て、

「これは/\」

と感心した。※(「魚+條」、第4水準2-93-74)っ子ばかりだけれど、可なりいた。

「朝からやっているんです」

「これなら商売になりましょう?」

「然うですね」

「ナカ/\お上手らしい」

「気分転換の為めの道楽ですよ」

「※(「魚+條」、第4水準2-93-74)っ子の外に何か釣れませんか?」

「然うですね」

と五味君は又浮を睨んだまゝで要領を得ない。私はもう面倒臭くなったから、

「さよなら」

と言って逃げて来た。二町ばかり上って、橋の上から見返ったら、五味君は気がついて、頻りに帽子を振った。善意はあるのだ。しかしテンポが遅い。

このことを柴田君に話したら、